ミラン本田圭佑 6ゴール後、不発が続くその原因とは?
チャンピオンズリーグ優勝7回(チャンピオンズカップも含む)
セリエA優勝18回の名門ACミランが不調にあえいでいる。
34節終了時点で11位。
優勝が決定しているライバルユベントスとの勝ち点差が36点。つまり12勝分の差が生じている。
かつては満員が当たり前であったホームサンシーロも空席が目立ち、30,000人を切ることが当たり前になってしまっている。
そんななか、タイのビー・タエチャウボル氏はミランの株主になることに合意したとの報道。
ユベントスはどうにか抵抗しているものの、ミラン、インテルの凋落の一途を辿っている要因の一つが、オイルマネーの影響。
イングランドプレミアリーグ勢を筆頭に、多くの強豪には、中東、ロシアから多大なるオイルマネーが流入。
有力選手の動向が一気に変貌。
イングランド マンチェスター シティのように石油資本の入ったチームへトップレベルの選手が集中するように。
この流れに、ACミランは対抗できず、イブラヒモビッチ、チアゴ・シウバと言った主力をパリ・サンジェルマンへ売却せざるをえなくなる。
そして10年にあまり中盤を構築してきたピルロもユベントスへ去るなど、悪循環を続けた結果、現状に至る。
そんななか、孤軍奮闘の感すらあった本田圭佑。
今シーズン序盤6ゴールを奪うなど活躍するも、出番が長友佑都同様に減少する傾向に。
そんな本田圭佑がもがき苦しんでいる。
その原因は?
本田圭佑、不調の原因を考察した。
レジェンドから厳しい評価は変わらず本田圭佑
サッカー界では、他の選手に対して賛辞を述べるに留める選手が多い。
理由はあれこれあるが、相手に悪い印象を持たれ、悪意あるタックルをされないためなど、自分を守るためということも理由の一つに挙げられる。
ところが、なかにはバシッと論じる人も。
まして引退すると、立場がフリーとなるから、はっきり言う傾向が顕著に。
かつてのミランの栄光を背負い、象徴であったマルディーニは、本田についてこのように述べている。
「その通り。彼(本田圭佑)は“フェノーメノ(怪物、の意。かつてのロナウドの渾名・代名詞とされた)”ではない。しかし、“ブオン・ジョカトーレ(いい選手)”ではある。そして今季の彼は、文字通り“いい選手”であることを証明している。昨季に抱えていた数ある問題を解決した証なのだろう。決して軽くはない病を抱えていたとも聞いている。
もちろん言葉の問題も軽視できない。そして周囲の信頼を必要としていた。“確かなチーム戦術”と、その中における“確かなポジション(役割)”もまた必要としていた。だから私は、先の3月に君から受けた取材ではこんな風にも述べていたはずだ。
『今の彼に最も大切なのは時間だ』と」
フットボールチャンネルウェブより
そしてもっとも辛辣とも言える発言を繰り返すかつての中心選手ボバンは、
今シーズンは開幕前からミランの一員として準備できたので、身体もできているようだ。本田は見違えるような活躍を始めた。非常によく働き、よく走る。守備にも手を貸す。そしてなにより、ここまで多くの重要なゴールを決めている。6ゴールはチーム最多、すなわちミランの得点王だ。あまりの変貌ぶりに、いま活躍しているのが本物の本田で、昨シーズンのダメダメだった本田は実は双子の弟だったなんていうジョークが、イタリアで飛び交っているくらいだ。
いまのミランにとって、本田はなくてはならない存在だ。それははっきりしている。しかし、これがかつての黄金期のグランデ・ミランであったなら――。残念ながら本田はレギュラーにはまず入れないだろう。控えとしてベンチに座り、時々交代してチームに動きを与えるような存在……、いや、もしかしたらベンチにさえも入れなかったかもしれない。本来のミランとはそんなチームのはずだ。
サッカーダイジェストウェブ
両者に通ずるところは、かつてのミランならレギュラーになれないよ本田圭佑は。
という意見を変えることはない。
ここまで言われると、日本人としては悔しい限りですが、、、
冷静になり、かつてのミラン同様の輝きを持つ、レアル・マドリー、バルセロナ、バイエルン・ミュンヘンで本田圭佑がレギュラーを奪えるのか?
と言うと、厳しいと言わざるを得ない。
それが現在の本田圭佑のサッカー界における立ち位置である。
本田圭佑の有言実行も災いに
本田圭佑と言えば、
有言実行の男
として知られている
あれこれ言うことも大切であるが、、、
ことイタリアにおいては、言うことがマイナスになることもある。
言ったからにはやるということですが、
カルチョ(サッカー)の世界では、負けもある訳で、負けたときのことも想定すれば、多くのことを口にすることがマイナスになる可能性が極めて大きい。
そのマイナスの方向へ向かってしまっているのが本田圭佑の現状。
日本では、想像がつかない部分ですが、
猛烈なヤジがスタジアムで飛び交うだけでなく、
街でも無視だけならともかく、店には行ってモノを売ってくれないなど、公私にわたり、真綿を締めるようなプレッシャーに晒されます。
ヤジに対して、プラスにならない的なことを本田圭佑は言うのも道理ではあるのだが、
かつての栄光を知るサポーターからすれば、
まずお前らが勝てよ。
ブーイングをやめるのはそれからだと。
本田圭佑とサポーターの間にボタンの掛け違いが生じており、解決するには相応の結果を本田圭佑が残すほかないでしょう。
1度、標的になると、本当に厄介である。
例えば、ドリブルの名手であったサビチェビッチでさえ、ドリブルで奪われると、
延々、ヤジに晒されていたものである。
こういったことはあまり報道されないため、本田圭佑だけが被害に遭っているように感じるが、欧州を席巻していた頃から、サポーターの視線が厳しいことに変わりはないと言うことである。
とくにミラニスタ(ミランのサポーター)がいらついているのは、ライバルであるユベントスがセリエA4連覇。チャンピオンズリーグも準決勝進出。しかも初戦はレアル・マドリーに勝利。
ライバルの勝利がいらつきを増している。
しかも、その戦力となっているピルロはミランからフリートランスファーでの移籍。
そして中心選手のポグバ、テベスも、ミランの上を行くやりくり上手で獲得した選手。
こういったフラストレーションが、10番本田圭佑に向けられている可能性は否定できません。
本田圭佑はミランで輝けるのか?
本田圭佑がミランで輝くとすれば?
やはり
結果を残す
これ以外にないでしょう。
インザーギ監督続投のままなのか?
現状の資金力のままであれば、移籍による強化は限定的なものになるでしょう。
また、資金力が一気に改善されれば、本田圭佑の立場も変化があるかもしれません。
いずれにせよ、
適者生存
この原則に則れば、本田圭佑自体がバージョンアップせねばでしょう。
サイドのポジションですから、耳に痛い言葉が試合中、延々入ってきて、プレーに集中できないかもしれません。
しかし、それを乗り越えない限り、ミランのレジェントであるボバンやマルディーニの評価を覆すことはできません。
まして目の肥えたミラニスタを納得させるには、本田圭佑が生まれ変わるくらいの進化が必要である。
本田圭佑がバージョンアップすれば、次回のロシアワールドカップでの日本の結果も大いに期待ができる。
いまは非常に苦しい本田圭佑。
明けない夜はない!
苦しいだろうが、出口を見つけ本来持っている凄い本田圭佑をサンシーロで見せてくれ!
Forza Honda!