日本マクドナルドの赤字が止まらない。
昨日、発表によれば2015年12月期の連結業績予想が、380億円の経常赤字と発表された。
数字は下記の通りである
売上高 | 営業損益 | 純損益 | |
今回予想 | 2,000億円 | ▲250億円 | ▲380億円 |
前期実績 | 2,223億1900万円 | ▲67億1,400万円 | ▲218億4,300万円 |
この結果として、不採算店131店舗を今年中に閉鎖、本社社員を100名リストラすることを合わせて発表しました。
売り上げ不振の理由として、使用期限切れのチキンの使用による信用の失墜を挙げていますが、果たしてそれだけでしょうか?
今回はマクドナルド不振の本質を掘り下げます。
そしてマクドナルドに行く人は減少した
数年前まで、マクドナルドは業績向上を続けていた。
ところが、ここへ来てブレーキが掛かり、一転赤字計上が続いています。
その原因はあれこれありますが、
3つの要因が大きいと考えます。
- 低価格競争に敗北する
- 低価格路線による客層の問題
- 24時間営業によるFCオーナーへの高負担
この3点が、客離れの深層にあると考えられます。
まず、低価格競争ですが、コーヒー100円という大胆な価格設定で、初期は集客に成功したものの、当然ながら、後発で強者が進出してくるのが常。
そうですコンビニエンスストアの雄であり、小売りの絶対強者セブンイレブンが、100円コーヒーの販売を開始。
ちょっとコーヒーを買うだけなら、近くのセブンイレブンはじめコンビニエンスストアで済ませる人も多いでしょう。
また、コーヒーのテイストまで100円コーヒーを購入する層は気にしないでしょうから、便利なところへ行くことから、ついで買いがマクドナルドからセブンイレブンへ移行し、売上減に繋がったと考えられます。
そして2つ目の客層の問題。
低価格路線を取った結果として、極論100円のコーヒー1杯で何時間も粘る学生や年金生活者のたまり場化している店舗も数多く見受けられます。
後期高齢者層は、マクドナルドで時間を過ごすことに抵抗感があるかもしれません。
ところが、団塊の世代以降は、銀座三越のマクドナルド1号店から始まるハンバーガーの味に慣れた世代。違和感なく入る習慣があることが作用として良かったものが、反作用として長時間居座るという減少を生み出しているとも考えられます。
中には、サービスの一環としてパソコンやスマホの充電に使える電源がありますが、そちらも長時間にわたり利用する客も少なからずいます。
客単価の低いお客ばかりに席を占領され、家族連れが入りづらい、席を確保できない、だから来なくなるという悪循環が見て取れます。
そして3つ目、FCオーナーの24時間営業での疲弊です。
これはコンビニエンスストアでもある話ですが、24時間営業は、働く人を確保でき、かつ深夜帯に相応の売上があれば、どうにかなります。
ところが、1度、悪循環に陥ると、100円コーヒーのみで長時間粘る、また寝るなどの客ばかりになります。
また、アルバイトがいなければ、当然ながらオーナー自らが現場に出ざるを得ず、経営どころかお店を回転させることに疲弊してしまいます。
その他にも問題はあるでしょうが、3つの要因が根底にあり、そこに食品の安全という外食産業の根幹の問題が重なり、赤字決算が恒常化していると推測されます。
まとめ
外食産業の栄枯盛衰は常とはいえ、急激にここまで落ち込むことは誰が予想したでしょうか?
上れば落ちるのが経済の鉄則ですが、これまでマクドナルドに少なからずお世話になった者としては、頑張って欲しいというところです。
人間、不思議とピンチとなると、表情がけわしくなるものです。
今のマクドナルドは、急降下し始めたころのダイエーとかぶる部分が、スタッフの表情を見る限りあります。
商売は太陽である
日本一の講演実施者 田中真澄
日本一の講演回数を誇る社会教育家の田中真澄は、商売は太陽であると述べています。
苦しいかもしれませんが、
元気よく明るく
この根本が、マクドナルド復活の第一歩ではないでしょうか。
期待してます。