張本勲がカズに引退勧告発言で炎上
4月12日(日曜日)放送TBSテレビ系列『サンデーモーニング』の名物コーナー『週刊ご意見番』で張本勲が吠えた。
同コーナーで三浦知良がJ2ジュビロ磐田戦で自身が持つJリーグ最年長記録更新するゴールを決めたニュースを扱った。
これに対し、張本勲は
カズファンには悪いけどね、もうおやめなさい。スポーツマンとしてはもう魅力がない。野球で言えば2軍だから、2軍で頑張ってもそんなに話題性がない」
「若い選手に席を譲ってやらないと」
と発言した。
これに多くの人が反応した。
Twitterの発言を見ると
それもだけどサンデーモーニングは張本さんに対する制裁もたるんじゃない?レジェンドなんだから現在進行形のレジェンドにあの言葉はないだろ。活躍してないならまだしもしてるのに。しかも同じ畑ならともかく野球人がサッカーに対してとかダメでしょ。引退するのは自分の方では?と言いたくなるRT
— @野良Mayuドットコム (@mayumagu) 2015, 4月 15
キング・カズに対する野球評論家の張本勲さんの発言について http://t.co/zdtGoqP5Xn
「客寄せパンダ」にさえなれない他プレーヤーの方に問題があるのでは?あのプレーヤーが見たいとスタジアムに足を向かせる選手はほんの一握りしかいない。
— 飛ばないオランダ人 (@invincibles_10) 2015, 4月 13
こういったご意見があった他、プロ野球ファンからこんな意見も
引退勧告が飛んでくるから RT @takeo_hash 張本勲氏に現役である事を気付かれない様にしている。 RT @89_ogiri: 【野球大喜利】実働29年!日ハム・中嶋聡捕手が試合出場する際に最も気をつけている意外なことは? #89og1608
— 野球大喜利 (@89_ogiri) 2015, 4月 16
じつは張本勲の後輩にあた日本ハムの捕手兼バッテリーコーチ中島聡、プロ29年目。昨シーズンの出場1試合!
また、伝説の投手中日の山本昌、今年50歳。プロ32年目、昨シーズン3試合の登板1勝。
という事実もあるが、そこには「喝!」は入らないようである。
張本勲の発言に三浦知良の対応
じつはプロ野球大好きである三浦知良。
世代的にはそうですよね。
やはりプロ野球全盛期を知っている人間は大なり小なり野球好きか、極端なアンチ野球に大別できますから。
そのカズこと三浦知良は下記のようにコメントした
これについてカズは、憤るどころか感謝の言葉を並べた。「『もっと活躍しろ』って言われているんだなと思う。『これなら引退しなくていいって、オレに言わせてみろ』ってことだと思う」と前を向いた。
昔から、巨人ファンを公言するカズ。張本氏が巨人入団したころも、テレビにかじりついて応援していたという。「長島さんが引退して、張本さんが巨人にきた。たしか背番号は10。王さんと組んで活躍したことは今でも覚えているし、憧れていた。そんな方に言われて光栄です。激励だと思って、これからもがんばります」と、力強く話した。
サンスポウェブより
と大人の対応。
これに多くの人が素晴らしい対応と絶賛。
i-modeの生みの親夏野剛は
さすが。常に前向きに自分も信じる道を生きていこう! / 張本勲氏から「お辞めなさい」と言われたキング・カズはこう答えた
http://t.co/toYqVunfFN #NewsPicks
— 夏野 剛 Takeshi Natsuno (@tnatsu) 2015, 4月 15
ホリエモンこと堀江貴文は
カズさんすげえ
巨人ファンのカズ、張本氏の引退勧告に「光栄です」 – LINE NEWS – http://t.co/oNRHQE56TU
— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) 2015, 4月 14
そしてメンタリストDaiGOは心理学的な見地から張本勲を心理分析
キングカズさんが批判されたことが話題になってますが、心理学的には上から目線で批判する人は自分に自信がないか、批判対象を羨ましいと思っている可能性が高い。きっと生涯現役でいることが羨ましいのでしょうね。
— メンタリスト DaiGo (@Mentalist_DaiGo) 2015, 4月 12
おおむねカズへは賞賛。張本勲へは大人げないよと言う投稿が多いです。
また、うがった見方かもしれませんが、TBS主動の炎上商法だろうと見る向きもありました。
張本勲がサッカーを見下す発言の背景
張本勲と言えば、日本プロ野球界に燦然と輝く3985本安打記録を達成した選手でした。
日米を合算するとイチローに抜かれたものの、日本球界のみでは、張本勲が1位です。
この張本勲、数年前ですが、電車でお見かけしたことがあります。
正直に言えば、むかしの東映フライヤーズの選手のままだと。
いかつい風貌にビックな態度。
まぁ、昔のプロ野球選手はまんまだから仕方ないのでしょう。
むかし、プロスポーツと言えば、大相撲とプロ野球くらいなものでした。
そこに新規参入してきたのがサッカーJリーグ。
それまでのアマチュア主体の日本リーグから、川淵三郎チェアマン(当時)を中心にプロリーグであるJリーグが1993年に開幕。
一大ブームになり、プロ野球界の衝撃を与えました。
そこにはメンタリストDaiGOの指摘にもあるように、不安と羨望がプロ野球OBにはあるのでしょう。
実名を挙げられませんが、あるプロ野球の大物OBが、ある野球の勉強会で、サッカー選手は挨拶がなっていないに始まり、延々、罵倒する発言する場に立ち合いました。
正直、気分が悪かったです。
挨拶がないのは、べつにサッカーに限らず、どの競技にもいますし、野球界にもいます。
ですが、サッカー人気に押され、焦りからかそういった前提条件が消失。
延々、批判と言うより悪口を連呼する状況に陥ったのでしょう。
プロ野球界が一番、俺たちが日本のスポーツを支えているんだという過剰な意識が、プロ野球のOBに存在していることが、今回の発言に至ったと推測します。
張本勲発言の問題点は?
張本勲今回の発言の問題の出発点は、
プロ野球とJリーグの構造の違い
でしょう。
プロ野球は単一リーグで一軍の売上で二軍は育成機関という構造。
(二軍の試合は、巨人など有料試合をやるチームと無料で開放しているチームがある)
JリーグはJ1、J2、J3の3つのリーグ構成。
各チームにトップチーム、サテライト、U-18以下、下部組織を有する構造。
つまり張本勲の
J2=二軍
という定義が違うということです。
と言っても、これはプロ野球しか知らない人間からすれば、J2は二軍だろと考え発言するのはやむを得ないのかもしれません。
なぜなら、世の中には、言葉の定義が、人によってまちまちなため、多くの誤解が発生している言葉が多々あるからです。
そしてもう一点、指摘したいのは世界一普及しているサッカーに対する羨望という潜在意識にあるということを指摘したい。
昨年、ブラジルでワールドカップがありました。
ワールドカップと言うと、サッカー以外にも使用しているケースがありますが、真の意味で世界中で行われている競技はサッカーだけという事実から、サッカー界ではいちいちサッカーワールドカップと呼ばず、
ワールドカップ=サッカー
と言うのが、サッカーファンの共通理解になっています。
その事実の一つとして、オリンピックでのサッカーと野球の立ち位置の違いで明らかになります。
サッカーはオリンピックでも人気競技です。
IOCとして、バスケットボールではNBAのスーパースターが出場しているように、サッカーでもメッシやクリスチャン・ロナウドらスーパースターを総出場させたい。
ところが、サッカー界はNO。
これにはいくつか理由があるのですが、一つはオリンピックの年にヨーロッパ選手権があるため、強豪国の選手を派遣できない。そして最大の理由は、一番を決めるのはワールドカップだけで良いということです。
そのためオーバーエイジ枠はあるもの23歳以下の選手という制限を掛けています。
折につけ、サッカーを統治するFIFAはIOCに対して、それこそ【上から目線】で発言を繰り返しています。
他方、野球はどうでしょうか?
野球、ソフトボールは会場の大会後の運営が難しいという理由から公式競技から除外されたままとなっています。
野球が盛んに行われている地域は限定されており、ヨーロッパでは球場がオリンピックのためだけになってムダになったことも除外された要因と言われています。
そういったIOCに対するサッカーと野球の立場の違いから、サッカーの対するジェラシーがあると考えられます。
まとめ
自分自身は、カズ同様に、サッカーも野球も好きです。
ですので、お互いに切磋琢磨し、盛り上がって欲しいと願うものです。
ところが、他者の成功を認めたくない。
自分たちだけが繁栄すれば良いという考えに基づくのはいかがなものでしょうか。
今回の騒動のMVPは三浦知良、カズでしょう、やはり。
フランスワールドカップ代表落選など辛酸をなめる経験を幾度となく積み重ね、48歳の今もサッカー少年の心を持ち続け、進化しようとする姿には感銘を覚えます。
人生100年の時代。
カズを見習い、前進しよう!
2015年4月19日追記
大いに盛り上がってしまった結果、張本勲はカズの発言を受け、こう答えました。
司会の関口宏から話題を振られると「カズさん?あっぱれ!あげてください」と叫んだ。戸惑う関口を尻目に「私、(三浦が)現役なのに、辞めた方がいいと言ったじゃないですか。普通はクレームをつけますよ。私ならクレームをつけます。さらりとかわして、先輩の助言を頑張れと、一生懸命やれと言ってると思いますと(反応した)。こんなこと言う人がいるのかと(思った)」と「あっぱれ!」の理由を解説。自分の発言を激励と受け止めたカズに感心していた。
「釜本とかカズのプレーは好き」とこれまでもサッカーを応援してきたことも主張した張本氏。今回の“引退勧告”は、野球界の英雄・長嶋茂雄氏が引退間際に精彩を欠いた姿と、カズが重なって見えたことから生まれたものだと説明した。
そして、「ただね、(進退は)本人が決めることだから。やりますと言うのなら(私は)不満だけど、最後まで応援しますよ」と宣言。「会ったことも話したこともないけど、どこかで会えば、食事はごちそうするから」とまとめた。
yahoo ニュースより
カズの大人の対応に驚いたようです。
カズは修羅場を乗り越えてきた選手、張本勲の心に響いた言葉、
参考にしたいです。
また、張本勲も『あっぱれ!』な対応であったと付記します。