釜本邦茂、本田圭佑を酷評するが・・・
5月20日のフジテレビ深夜番組「村上信五とスポーツの神様たち」に釜本邦茂が登場。
釜本邦茂が、日本代表歴代出場試合数上位50名からベストイレブンを選ぶというものでした。
そのなかで、本田圭佑を選出しなかった理由として
「本田走らないもん」と一蹴。
はたして本田は走らない、走っていないのでしょうか?
釜本邦茂の発言から、サッカーの走行距離の変遷と問題点を検証します。
本田圭佑は走っているという事実
現代サッカーは非常にハードです。
Jリーグにおいても今シーズンだけでも90分間に13km以上の走行距離を記録が8回。
スプリント回数が40回以上が5回。
神戸の小川慶二朗が川崎F戦でのスプリント回数はじつに47回。
短距離的要素と長距離的要素とも必要な極めてフィジカルが必要になっています。
本田圭佑は走らない
はたして本当なんでしょうか?
例えば、昨年のワールドカップコロンビア戦。
この試合での本田圭佑の走行距離は
10.29km
この試合では、長友佑都、長谷部誠に続き3番目の走行距離を記録しています。
数字からみて、サボっているとは思えません。
他の試合でも同様です。
例えば、最近、引退表明したアルゼンチンのリケルメのように、走行距離がゴールキーパーと変わらないような選手もいました。
守備に入らないぶん、距離が短いわけですが、その分、リケルメの後の選手がカバーで走る距離が増やし、カバーします。
その分、リケルメは攻撃に集中するわけですが、その攻撃力があったから走る距離が少なくても評価されていました。
ただ、守りに入らないため、ファン・ハールのように全員守備全員攻撃を基本とする監督からは干されるということもあります。
この釜本邦茂発言から、本田圭佑の最近の動画を確認しましたが、
走ってます
どうみても。
サボっているということはありません。
釜本邦茂にある昔は良かったねという病理
釜本邦茂、偉大なプレーヤー
であったことは否定しません。
しかし、釜本邦茂の実績は
アマチュアでの記録です。
プロから評価されていたというものの、プロのリーグで活躍したことがある訳ではありません。
また、メキシコオリンピックの銅メダルにしても、準決勝で対決したハンガリーには、
0-5
で敗北しています。
1968年メキシコ五輪当時、ソ連はじめ東欧にはプロは存在せず、(社会主義国家のため)トップレベルの選手が五輪に出場していました。
そのトップレベルの選手と対峙した結果が、
0-5
この結果をどう思われますが?
先ほど、本田圭佑の走行距離を出したコロンビア戦、
1-3
で日本が敗北。
酷評されましたよ、非常に。
数字からみれば、
0-5の方が酷いはずです。
これはどの競技にもあることですし、世界的にもある話なのですが、
昔は凄かった
という発言の多いこと。
サッカーで言えば、
ペレ・マラドーナ最強論争。
ここにメッシを加えた最強論争もあります。
時代が違えば評価のしようがないというのが、現実に即した回答だと思います。
とくに1970年代、アヤックス、オランダ代表を率いたミケルス、そしてプレーの中心であったクライフによって出現した
トータル・フットボール
このサッカースタイルの出現による、1試合あたりの走行距離はおおよそ2倍になりました。
それだけ走る距離が違うとなると、似てて比なるものとして発達したのが、現代サッカーと言えます。
まして、釜本邦茂のプレースタイル自体が、
お地蔵さん
走りません。
理由は、
「ディフェンスを基本的にしない」と紹介された釜本氏。「相手に(ボールを)回されている時に取りに行っても取れるわけない。あんなのしんどいだけ」と言い、村上が「今の代表は前からプレッシャーとか」と話しかけても「そんなことするから点が獲れない」と言いたい放題だ。
フジテレビ「村上信五とスポーツの神様たち」より
だそうです。
本田圭佑に対する酷評は距離云々よりも、
自分が一番!
ということを言いたい
オレは凄かった
と思われ続けたいから釜本邦茂は発言しているのでしょう。
まとめ
ミランでも苦戦が続く本田圭佑に、ここぞとばかりにパッシングが飛び交っています。
結果が出なければやむを得ません。
しかし
的外れな批判はどうでしょうか?
的を射た理由による批判であれば、ごもっともと言えますが、
やはり根拠のないところで批判はダメでしょう。
釜本邦茂も、J3の存在意義やアルバイトしながらプレーするなら社会人としてプレーした方が良いなど、まっとうな意見もみえます。
ただ、プレーにおいて
オレが一番
という潜在意識が強すぎて、冷静に判断できないのでしょう。
正直、過去の凄いプレーをみた自分としては、素直にいまの選手の良さは認める
大人のスタンスを身につけたもらいものです。
無理でしょうが・・・・
最後までお読みいただきましてありがとうございます。